2019.11.29
運用型Web広告で効果を出すための5つのステップ
こんにちは、STORYの杉山です。
気付けば今年も残り僅か。
毎年夏が終わるとすぐに年末が来てしまうような感覚に襲われます。
残りあと1ヶ月、悔いのないように走り抜きます。
さて今回は、広告代理店や広告主様の中で、主にWeb広告、特にリスティング広告やSNS広告といった運用型の広告を担当して半年〜1年目の方を対象として、ヒントとなるような5つのポイントをご提供したいと思います。
担当してから半年も経てば、ある程度運用型広告の全体の流れが判り、一通り自分だけでアカウント設計から入稿、運用まで出来るようになってきていることと思います。
その中で、求められる目標がなかなか達成できず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
また、やった感を出すため、無駄なレポートの作成や効果の薄いテストを繰り返してお茶を濁したりしていませんか?
イギリスの経済学者、ヴィルフレド・パレートは全体の8割の成果は2割の要素が生み出していることを証明しました。
有名な80:20の法則(パレートの法則)です。
同様に、リスティング広告やSNS広告の運用においても成果を出すために必要な重要なポイントは限られています。
その2割の要素となり得ると私が考えている5つのポイント、ステップを紹介しますね。
【運用型Web広告で効果を出すための5つのステップ】
- まず事実を見極める
- 課題の本質を突き詰める
- 情報を取りに行く
- ユーザーストーリーを考える
- 人の力を借りる
1.まず事実を見極める
目標達成のためには、まずは現状をしっかりと把握し、何が足りないのか?を明確にする必要があります。
その時に目の前のデータが本当に正しいのかについては慎重に確認しましょう。
たとえば、リスティング広告のブランド名のキャンペーンでインプレッション数(表示回数)が異常に増えていたとします。
その際、ブランド名検索が増えてハッピー!と短絡的に思い込んでしまわないように。
実際にはブランド名の部分一致が拡張されて、ブランド名を含まない一般ワードで露出されてしまっており、除外設定が必要な状況かもしれません。
また、Google広告のリマーケティングキャンペーンなどで妙に多くコンバージョンが獲得できると思ったら、実は大半が不正サイトからのクリックであった、というケースも最近よく目にします。
目の前のデータを思い込みで捉えるのではなく、「本当に正しいのか?」を疑ってかかる目も必要です。
2.課題の本質を突き詰める
現実が正しく認識できたら、目標とのギャップの間にある「課題」を見極めます。
ここでも「本当の課題」がどこなのか、を突き詰めていく必要があります。
課題の本質に迫っていく中で細かい枝葉とも言える小さな課題も見つかってくる事でしょう。
たとえばキーワードの精査やアカウント構造の最適化、地域や時間帯配信の調整などなど・・・
これらは課題の本質を突き詰めていく過程で手にすることができる武器のようなものです。
気付いた時点でメモしておき、しっかりと改善に役立てていきましょう。
(このあたりの細かいチェックポイントについては、過去のブログ「CVRの低下が要因です」で終わらせないための15の視点 をご参考ください)
このあたりの枝葉の課題をバッサバッサと切り払いつつ、さらに課題を深堀りしていくと
最終的にはビジネスそのものや、マーケティング活動自体の課題に行き着くケースが多いです。
例えば、
競合製品に対して魅力的な打ち出し方ができていなかったり、
狙うべきターゲットがずれていたり、
ロイヤリティ顧客にしていくまでの過程に致命的な欠陥があったり。。
なかなかこのような本質的な課題については、解決するために多くのパワーを必要としますし、ステークホルダー(利害関係者)も増えて意思決定を行うまでに様々な調整が必要となるでしょう。
しかし、それを恐れて見て見ぬ振りをすれば、いつまでたっても課題は解決されず、いずれは成果が出せない担当者というレッテルを貼られてしまうことになりかねません。
上述したような枝葉の課題を丁寧に潰しこみつつ、もうこれしか課題は考えられない、という所まで徹底的に突き詰め、課題の本質を浮き彫りにすることで初めて、クライアントや上司に聞く耳を持ってもらえるのではないでしょうか。
(でないと、まずはやれることをやれ、と言われてしまいますよ・・・)
3.情報を取りに行く
課題は分かった。けれど解決のアイデアが思い浮かばない・・・
そんな壁にぶつかることも多いでしょう。
でも安心してください。しっかり前に進んでいます。
課題に対する解決策が見つからない時は、
その課題がまだ本質まで掘り下げられていないか、
自分の中にアイデアの源泉となる引き出しが無いか、です。
インプットのあるところにしかアウトプットは生まれません。
これまでの多数のインプットが経験や知識として蓄積され、それらが脳の中で化学反応を起こしてアイデアを生み出します。
自ら常にアンテナを張り、最新情報の取得はもちろんの事、ビジネスの現場を見る、商材を実際に使ってみる、ユーザーに話を聞いてみる、競合製品や代替手段を使ってみる、本を読んでみる(図書館もおすすめ)、海外に目を向けてみる・・・等々、行動できる事は沢山あるはずです。
ウンウン机の前で悩むより、行動して情報を取りにいきましょう。
4.ユーザーストーリーを考える
課題に対して解決策が見つかったら実際にテストしていきましょう。
どんな解決策も実際にテストしてみるまでは、本当に効果的な解決策だったのかはわかりません。
テスト設計のときに心に留めておいて欲しいことは、ユーザーストーリーを考慮して設計する、ということです。
特に運用型広告は数字に支配されがちです。
データはもちろん重要ですが、追っているのは数字ではなく、その向こうにいる生身の人間の心理です。
そのユーザーがどんな生活をしていて、どのような悩みや考えを持ち、何を行動の判断基準にしているのか。
ユーザーストーリーを想像しながら仮説を組み立て、データで検証していく癖をつけましょう。
仮説の無いところに、有益なテストはありえません。
大切なのはそのテストの結果から、解決策が効果的であったかを常に振り返り、正解に近づけていくことです。
5.人の力を借りる
これは本当にお勧めの方法です。
最後に、人ひとりの力には限界があります。
一人だけで運用していると、どうしても視野が狭くなりがちになってしまいます。
できれば自分よりも経験のある人と組んで助言をもらえる体制を作りましょう。
特に日々の運用業務を担当していると、相当視点は近視眼的になっています。
もうひとりのアドバイザーが鳥の目で全体俯瞰してチェック、アドバイスすることで飛躍的に成果があがることが多々あります。
確かに自分の中で徹底的に考え抜き、試行錯誤していくことも自身の成長のために非常に大切ですが、そこに人の力をプラスすることで、成果も上がり自身の成長にも繋がるのであれば活用しない手はありません。
遠慮せずにどんどん人の力を活用していきましょう!
以上、5点を正しく活用していけば間違いなく成果は上がります。
あとは絶対に成功させる、という信念を持って取り組んでいけば、その姿勢は誰かが見ていてくれます。
それが回り回って5の人の力を借りる、というところに繋がっていく事もあります。
是非あきらめず、腐らず、目標達成に向けて前進していきましょう!