2020.8.31
夏の想い出
こんにちは。
STORYクルーの池ちゃんです。
毎日暑い日が続いていますが、夕方や明け方の風に秋を感じるようになりましたね。
さて、今回のブログでは、私の夏の想い出のお話を書かせて頂きたいと思います。
私の実家は、高知県の小さな港町にあります。
鰹の一本釣りの町で、日本酒も県内では少し有名で、
小さい町ながら休日は観光バスが立ち寄るような、
のどかですが活気もある、そんな町で私は育ちました。
港から少し離れた坂の途中に私の実家はあります。
私の両親がまだ子供だった頃に遡りますが、
その頃は「池田商店」としてお店をやっていたそうです。
昼は駄菓子屋、夜は居酒屋を営んでいたと聞いています。
私が産まれる頃にはもうお店はなくなっていましたが、
やけに多い小皿や徳利など、面影は残っていました。
そして、電話はピンクの公衆電話でした。
(これに反応してくれる人が、どのくらいいるのでしょうか…笑)
子供の頃に好きだったのは、その面影の一角である小部屋で遊ぶ事でした。
そこは、実家の生活スペースとは少し離れた場所にあって、
流し台、古いレジやかき氷機、業務用の冷蔵庫が置かれていました。
道路に面していましたが、窓はすりガラスなので外からも少し隔離されているように感じて、
子供の頃の私にとっては秘密基地のような場所でした。
夏になると、その小部屋でかき氷やところてん
(高知のところてんは「出汁」で食べます!)を作ってもらえるのも楽しみでした。
祖母がかき氷を作ってくれ、
その小部屋にかき氷を受け取りに行く、
何ともワクワクする夏の風物詩でした。
祖父が採って来たハチミツを使って作ったシロップで作る、ハチミツ色のかき氷。
レトロな器も可愛くて大好きでした。
ある夏、祖父から、古いかき氷機だから修理出来る人がそのうち居なくなると思う、
という話を聞きました。
当たり前に帰る実家があって、皆が笑顔で迎えてくれる。
よく帰って来たね、かき氷あるよ、って言ってもらえる。
まだ10代だった私にはそれが当たり前で、
その一部が無くなるなんて想像もつきませんでした。
一人、その小部屋に入り、すっかり物置になりつつあるそこで、
子供の頃にお店屋さんごっこをした想い出や、
もっと前の私が知らない「池田商店」だった頃の事まで想いを馳せました。
何が出来るかわからないけど、
このかき氷機は私が受け継ごうと決め、私に一つの夢が出来ました。
またこのかき氷機で作ったかき氷で、たくさんの人に喜んでもらう事。
「池田商店」のハチミツ色のかき氷。
それが、誰かの夏の想い出となるように。
まだまだ先の、でもいつか叶えたい夢が出来た、夏のお話でした。
それでは、また。