2018.8.31
ストーリーの想造で販売する
こんにちは。まりっぺです。
急に思い立ってずっとロングにしていた髪を切りました!
美容師さんに「いきますよ!ホンマに切りますよ!?」とためらわれながら
ドキドキの人生初ショートカット!
めっちゃ楽ですね。
男の人ってお風呂入る時も髪を乾かす時もこんなに楽なんだなと思いました。
スッキリとした頭で、今回は少し前の話から始めたいと思います。
昔アンティークの家具屋さんで働いてたことがある。
60年台70年台の北欧家具だ。
昔のUSED家具しかもブランドものの輸入品ということだけあって
値段もかなりするし、木材の手入れも大変とあって
来店されるお客様はコアな方が多い。
一度買うとメンテナンスさえしていればすごく長持ちし
「買い換え」よりかは、
①好きな家具を見つけたとき(衝動的)
②ここにこんな家具を置きたい(目的のある)
購入意欲のあるお客様はこの2タイプにわけられる。
販売員として働いていた私は最初すごく戸惑った。
物を見ると自分に馴染みのない高価な商品、
しかも全て時代も場所も超えた北欧アンティークだ。
部分的に壊れているし、古い匂いがしたりとお店に入ってきた状態を見ると
「どうやって売るんだ?」と思っていた。
商品として売れる状態になるまでメンテナンス、リペアをし、
毎日同じ家具を見て違うお客様を接客する。
接客を重ねると自分に足りない知識がわかり
家具の歴史、仕入れ場所、木材の違い、デザイナー、ブランドと
一つの家具に対しての膨大な知識が必要になる。
最初はただの古い家具。
それがなぜだか見れば見るほど
同じカタチ同じ大きさ違うのは取手だけ、木目だけ
だったとしても1つの家具に愛着が湧いてくる。
頭の中では彼らに(家具)個性を見出している。
知識を得て個性を見出すことで彼らのプレゼンをできるようになり。
①好きな家具を見つけたとき(衝動的)
②ここにこんな家具を置きたい(目的のある)
この2タイプのお客様への販売は簡単になった。
お客様自身購買意欲があるので背中を押してあげるだけだからだ。
ただ店員としては、自分の売上、お店の売上があるので、
目的があって来ているお客様だけではダメなのだ。
③ふらっとお店に入ってきた、北欧家具に興味があるけれどアンティークはちょっと…
そんなお客様をターゲットにした接客が大事になる。
この場合接客で一番大事になるのが、
お客様とその家具をつなぐ「何か」を
お店にいる短い時間でヒアリングし情報を伝え
お客様が思い巡らす手伝いをする。
お客様とその家具のストーリーの想造だ。
お客様に実際に想像してもらうのは
その家具がお客様の自宅にあったら・・・という部分だ。
ただ、アンティークの家具には昔使っていた人の歴史がある
そこで、
お客様がこれからこの家具と作って行くストーリー
➕
この家具が今までの持ち主とたどって来ただろう想像のストーリー
をお客様と一緒に作りあげストーリーの重なりを作る
ストーリーの重なりが生まれると共感を得ることができる。
共感を得るとアンティーク家具を持つことへの安心、
そしてアンティーク家具を買うことへの自信に発展すると思う。
お客様はそのアンティーク家具との時間を頭の中で想像し始めると
あとは「アンティークで職人の手で作られた1点ものですよ」
なんて伝えるともう欲しくなる。
心理学でスノッブ効果と言われている。
希少性が高いものほど欲しくなる心理だ。
ここで少し話を変えたいと思う。
私達が今住んでいる世界は便利な物に溢れている。
1つの家具を売るにしても、
人の心理まで考えての販売になっていたりする。
先進国にいる私達からすると機能性は当たり前。
今ではデザインまで選べるようになり、
物を売る時は他と差をつけ自社の物の価値をよりあげないといけなくなっている。
そこで今注目されているのが「ストーリー」というわけではないかと思っている。
では、
発展途上国でストーリー性を大事にした商品を売るとどうだろうか?と思った。
物語はお客様の気を引くことも、商品の発信も簡単にでき、
抵抗なく受信してもらえるはずだが
経済、技術、生活水準が未発達な国。
良く言うと伸びしろのある国なのだが
彼らが最も必要としているのは「衣食住」が中心となる。
発展途上国でストーリー性を大事にした商品を売っても先進国と同じように売れることはないと思う。
もちろん購入するものに意味を求めてないわけではないと思うが
それが私達が思っているバックグラウンドのストーリーではないと思う。
「必要としている」ということが彼らが物を買う意味になっているのだと思う。
意味性(ストーリー)よりも情緒性(デザイン)よりも利便性(機能)
発展途上国ではやはり生活に直結し豊かさを得ることが重視される。
ただ、一つ補足として、
ここ10年でアフリカなどの発展途上国でスマホの普及率が上がったとある記事で読んだ。
テレビや冷蔵庫を持っていないのにスマホを持ち。
電気が通っていないところにもインターネットはとどいているらしい。
今は売れないストーリーだが波がやってくるに違いないと思う。
というのも、家具の販売経験から
私は人間は物事に意味を求めるものだと思っている。
その意味を満たしてくれる手段がストーリーではないだろうか。