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2018.10.5

馴染みのないものを受け入れるまで

馴染みのないものを受け入れるまで

こんにちは。まりっぺです。

朝晩、少し肌寒くなってきましたね。
夏が好き!海が好き!というSTORYでは
少し寂しい空気が流れていますが・・・
先週は社員全員で琵琶湖でウェイクサーフィンをしてきました。
まだ秋を受け入れていないSTORYです。(笑)

昔サーフィンをして波に飲まれ
ビキニとさよならをして砂浜に打ち上げられてから
サーフィンなんて絶対するもんか!と思っていましたが
今回で克服できた気がします。

さて、今回も家具屋で働いていたときの話をしていきたいと思います。


アンティークの家具を売っていた時
家具と同じ時代のアンティークの食器も取り扱っていた。
昔の北欧食器はデザインも可愛く、
有名な陶芸家スティング・リンドベリが手がけたものなど
雑誌にもとりあげられていたりとファンの多いブランドが多くあった。

ただやっぱりアンティークというだけあって、
とっつきにくい商品であることには違いない。

初めて手に取るお客様からすると何十年も前の物、
どんな使われ方をしていたのかもわからないし
どんな保存状態だったのかもわからない。

新品同様にお店に展示してあっても、
結局は少し高い中古品である。

私も実際にホコリをかぶった輸入当時の状態をみて
「衛生上大丈夫なのか?」と抵抗があったし。
陶器だし、割ってしまうからと
新しくて安くてかわいいものを好んで買っていた。

今では普通に気に入って使っているが
最初は良さが全くといっていいほどわからなかった。

新しくてオシャレな物が沢山売っている時代、
「古いものを大事にすることってすごく素敵」
だと思って働き出したお店。
それなのにその素敵な商品を売るのに少し抵抗を感じていた。

アンティークも接客も好きな私は
「自分の素敵だと思うことをお客様も共感してくれているのだろうか?」
そんな考えを持ちながら控えめな接客をしていた。

そして勝手な希望もあった、
家に帰って改めて商品を見た時
「あ~買わされちゃったな」と思って欲しくなかった。

サプライズでプレゼントをもらったときみたい
買った商品の包装をほどくときのワクワク感を感じてもらいたい
そして、手に取るとなんだか暖かな気持ちになり
自分の生活になじませていくそんな素敵な時間を作りたいなと思って接客していた。

どんな接客をすればそんなショッピングをしてもらえるだろうと考えていた頃、
綺麗な白髪のオシャレな婦人と出会った。

彼女はふらっとお店に入ってきて
何種類ものブランドの食器の中から
白地に綺麗な深い青色の縁のお皿を手にとっていた。

しばらくして彼女に
「色が素敵ですよね、今のプリントの物と違って一つ一つ作られているので同じ柄でも少しずつ違うんですよ」と何枚か同じ柄のお皿を並べながら話しかけると、

「この食器アンティークなのね!全然見えないわね。」と
食器と一緒に置いていたポップを読んでくれたみたいだった。

世間話を交えつつ話していると
彼女は料理が好きということ、
食器もついついこだわって沢山買ってしまうということ
手にとっている食器がアンティークだと今知ったということがわかった。

「沢山もっていると自分の趣味で買ってしまうから
どうしても同じような柄形が揃ってしまいますよね。
青色の食器もお持ちなんですか?」
と私も自分の経験から話してみると、

「そうなのよね~青色の食器いくつか持っているし、
これアンティークなのよねーこれ」

(やばい、このままだと接客だけで終わってしまう)
と頭の中でかなり焦りながら、
きっと彼女は日常になかったアンティークという分野に抵抗を感じていて
何か惹かれる物がある青色の食器だがまだ決定的な決め手がないのだろう。

そう思いながらアンティークのことを少しでも知ってもらおうと
自分のことを話すことにした。

アンティークに抵抗を感じていた私自身のことを交えて話すほうが
自分と重ね合わせて想像しやすいと思った。

「私もここで働き始めるまでこんな可愛らしいアンティークの食器があるって知らなかったんですよ。誰がどんな風に使っていたかもわからないし、正直最初すこし抵抗あったんです」

「でも、こないだ初めて買ってみたんですよ。使っていくとハンドメイドの良さをすごく感じるんですよね。パット見た感じは一緒に見えるんです、だから友達が来てペアでお皿を使ったりしてもテーブルに統一感はでるんですよ。でもやっぱり1つ1つ作られてるだけあって少しずつ色合い形が違うのが持ち主にだけ見えてくるんですよ。お皿に個性が見えてくるんです。おかしいですよね。笑」

良いことばかり聞いていると逆に不安になるもの

「青色って食欲を減退させる色って知ってましたか?でもお客様青色の食器すでに使われてるといってましたよね!きっとお客様の料理盛り付けもおいしいんでしょうね~どんなお料理さでるんですか?」とデメリットも伝え少しフォローする。

こんな料理だったり、あんな料理だったりと話していく中で
「このお皿だったらシンプルなデザイン出し合わせやすそうね!」
私の体験談を話す前までの反応と明らかに違う反応だった。

いつのまにかこの女性の気持ちは「気になる物」から「欲しい物」に変わっていた。

人は日常と違う状況を目にした時、それをそのまま受け入れるのは難しい。
そこで何らかの情報を得て、その状況に意味を見出そうとする
その状況を物語として聞くことで人は簡単に受け入れ
安心することができるのではないだろうかと私は思った。

この女性の場合、店員である私のストーリーを聞くことで
自分が食器を買って使うイメージを簡単にできたのだろう。
そんな時間を過ごして購入し帰った女性は
後日食器を使った写真を見せに来てくれた。

馴染みのないアンティークの食器だが
「アンティークだからこその食器の歴史」と「お客様の生活」
の中で共通点が見つかったときお客様とその食器の「物語」作りができる
物事に意味を求める、その意味を満たしてくれる手段として「ストーリー」は使われているのだと自分の体験と重ね合わせて感じることができた瞬間であった。

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