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2018.8.13

神話の法則による物語と謎解明型物語

神話の法則による物語と謎解明型物語

こんにちは、杉山です。

世間はすっかりお盆休みですね。

行楽地はどこも賑わっていそうですが、オフィス街は静まり返っていて仕事に集中できるので、個人的にお盆出社は大好きです。

(当社は7〜10月の間、自由に夏季休暇を取得できるようにしているので決してブラックなわけではないです。笑)

 

先週は宮古島に自社CMの撮影に行ってきました。

 

8月末に上映が予定されている話題の幻冬舎編集者、

箕輪厚介さんのドキュメンタリー映画「箕輪大陸

この上映前に、STORYのCMが流れる予定です。

(関西でも9月くらいに上映イベントがある、はず!)

 

(ちなみに昨日、箕輪さん自身の著書「死ぬこと以外かすり傷」のAmazon予約がスタートしたのですが、初日から「はじめに」と目次だけの公開で驚異のAmazon総合1位を獲得!

箕輪さんの仕掛け方や箕輪編集室というサロンの力を改めて思い知らされました。。

この熱狂の作り方が凝縮された本なので、興味ある方は是非読んでみてください。)

 

 

 

予約&購入はこちらから→https://www.amazon.co.jp/dp/4838730152

 

 

 

STORYのCMですが、メインは当社パンフレットのイメージを踏襲した冒険物語的なアニメーション。

現実感をつなぐためにアニメーションの前半と後半に実写を挿入することになり、その撮影を昨年、STORYの初合宿の実施場所、STORYのはじまりの地と言っても過言ではない(?)宮古島でおこなって来ました。

上映公開後は今回CMの楽曲を提供していただいたロイヤルコンフォートさんのYoutubeチャンネルにもCMがアップされる予定ですので、お楽しみに!

 

本当に色々な縁に恵まれ、STORYという会社が世に出ていく地盤が整いつつあります。
また撮影裏話や昨年からの宮古島ストーリーについては、追々こちらのブログにもアップしていきますね。

 

さて、今回は「神話の法則による物語と謎解明型物語」についてです。

 

神話の法則については、まりっぺが度々このブログでも言及していますが、

いわゆる英雄伝説の型であり、スターウォーズやバック・トゥ・ザ・フューチャー、魔女の宅急便など様々な大ヒットした物語のバックボーンとなっているものです。

 

その多くは

日常

エンディング

という山なりの感情起伏を持つ構成となっています。

しかし、全くその型に当てはまらない大ヒット作品も数多くあるのではないでしょうか?

 

例えば私の好きな作品の中でも、

進撃の巨人やインセプション、ユージュアル・サスペクツなどは

どれも英雄伝説の王道の型とは少し異なっているように思われます。

(進撃の巨人は少し入り混じっていますが、これも後述します)

 

これらははじめに「謎」がまず登場し、それを少しずつ解きほぐしていく中でまた新たな謎が登場し、最終的に大きなどんでん返しによってスッキリする、

もしくは更に新たな謎を残して終わり、オーディエンスの興味を抱かせ続ける、

という手法が取られることが多いようです。

庵野監督のエヴァンゲリオンやシン・ゴジラなども、この謎を残してオーディエンスに問いかける仕掛けにより作品終了後も興味を持続させていますね。

このように、オーディエンスの興味を飽きさせないように適度な大きさ、タイミングで「謎」という不確定要素を配置することで、次を知りたくなる気持ちを盛り上げています。

 

この不確定要素の配置、については実は神話の法則の中でも使われています。

それが物語の一番の盛り上がりのポイント、「危機」〜「クライマックス」の部分です。

この部分でオーディエンスは主人公に感情移入し、うまくいくのかどうかハラハラドキドキの気分を味わいます。

謎解明型の物語では、この「ハラハラドキドキ」の部分が物語全体に散りばめられており、永遠に続くジェットコースターのようなスリル感を味わえるような設計になっています。

 

言い換えると、人が面白いと思えるような物語というものは必ずどこかに「不安定」が意図的に設置されており、それをいかに安定化させていくか、というプロセスにこそ物語の力が潜んでいるように思われます。

 

それであれば謎解明型の方が、「不安定」〜「安定」の振り幅や回数が多く、よりオーディエンスにインパクトを与えられるのではないかと思ってしまいますが、謎解明型にはその特徴ゆえの難しさもあります。

 

まず一つには、「謎」への慣れや飽き、があります。

ジェットコースターにも緩急があるように、単純に「不安定」〜「安定」を繰り返すだけではどんどん人間は鈍感になり、はじめほどの衝撃を受けることは少なくなっていきます。

そのために常に新鮮な衝撃を与えるためには、より斬新な設定や練り込まれた伏線などが必要となり物語が複雑化していく傾向にあります。

そしてあまりに複雑化してしまうと、取り残されてしまうオーディエンスも出てくるためその匙加減が非常に難しいものとなります。

 

また二つ目は、

いきなり「謎」を設置しても、オーディエンスが日常とかけ離れているため自分ごと化できない、物語の世界に入り込めない、といった問題です。

 

ここは非常にこのテーマを考える上で面白いと感じた部分で、現在のWebマーケティングにもヒントになる要素がありました。

神話の法則ではかならず日常からスタートし、様々な葛藤もありながら冒険へと誘われるためスッとその世界に入り込んでいくことができます。

その日常の世界が現実世界と違うファンタジーの世界であっても、多くの場合状況説明が冒頭にナレーションや登場人物の会話によってなされるため、この段階で取り残されてしまうオーディエンスはほぼ発生しません。

 

しかし謎解明型の場合、物語がどこからスタートして、主人公がだれなのか、どんな状況に置かれているかなどを説明しすぎてしまうと、その後の興味を惹けなくなってしまいますし、かといって説明無しでは、意味がわからず興味を失ってしまうオーディエンスも出てしまいます。

 

そのため、謎解明型の物語では音(音楽)や映像を駆使して、その曖昧な部分の説明を行います。

例えばユージュアル・サスペクツでは冒頭に謎の黒幕、カイザー・ソゼが登場しますが、その顔は映されず、その仕草や声色など思わせぶりなヒントだけを演出することで、物語がこの黒幕を突き止めることをメインテーマにしているのだとオーディエンスに気づかせ(説明)、カイザー・ソゼに撃たれる主人公キートンの演技や音楽による緊迫感から、一気に物語の世界に引き込まれる(自分ごと化)ようになっています。

 

このように謎解明型の物語は、近年映画や漫画、アニメなど、音と映像を使った表現手法が広がったからこそヒットするようになってきたのではないでしょうか?

 

古来から続く神話の物語は、文章、ひいては口頭伝承をベースにしたものであり、当時のメディアの中では最も効果的な物語を伝える型でした。

ここに音と映像を広く、同じカタチで伝える手段が出てきたことにより、より物語を心に残る形に(インパクトを残せるように)型をアップデートしたものが謎解明型の物語だと私は考えます。

 

少し話が変わりますが、昨今増えているWebの動画広告もはじめの数秒が肝だと言われています。

いかに瞬時に人の心を掴むのか。

これは効率化が進み、生活者の時間の流れが早くなるとともに

表現手段が豊かになった現代ならではの課題です。

 

この部分のノウハウが謎解明型の物語の作品の中に多く散りばめられているのではないでしょうか。

 

とはいえ、謎解明型の物語も1つ目の飽きの問題も残されていますし、まだ神話の法則ほど確立化された体系も無いように思います。

むしろその構造は試行錯誤を繰り返し、多岐に枝分かれしているように感じます。

 

先に述べた進撃の巨人などは、巨人という大きな謎を抱えながらも主人公エレンの冒険の物語でもあるという2つの側面を持っています。

人の心を動かす、成長物語としての神話の法則の型をベースに持ちつつ、表現手法を駆使した謎解明型の物語をクロスさせていく。

なかなか複雑ではありますが、この両軸を上手く扱えるようになるとより色々な物語や気持ちを効果的に届けられるようになるのでは。

ここに次はチャレンジしていきたいと思います。

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